きりまん工房ーキーボードの自作キーキャップ製作

レジンや木材、漆などいろいろな素材でキーキャップ作ってます

クラシックカーキーキャップ -60’s のこだわり デザイン編

ご覧いただき、ありがとうございます。

クラシックカーキーキャップをスカルピーで作製した過程をご紹介します。



前回、20年代の車をモチーフに作製しました。

今回は、60年代の車ということでデザイン面でどういった点を重視したのかまとめていこうと思います。

 

なお、スカルピーでの作成過程については前回の記事をご覧ください

kirimanworks.hatenablog.com

kirimanworks.hatenablog.com

 

 

今回はデザイン面や追加でこだわった点についてご紹介します。

 

 

1.0 デザイン

1.1 資料探し

クラシックカーの資料を探します。

今回もトヨタ博物館の車両データベースを参考にさせていただきました。

toyota-automobile-museum.jp

 

実際に見に行ったことがありますが、古い車から最新のものまで多くの車を見ることができました。

また、すべて実動の状態で維持されているようです。

 

1.2 60年代の車らしさを探る

アーカイブズには車の正面、横の写真とともに年代が記載されています。

主に、日本車の60年代をざっとみて気づいたのが下記です。

  1. ヘッドライトは丸型
  2. ヘッドライトはフロントグリルと同一面(20年代はヘッドライトが出目金のように飛び出ていました)
  3. フェンダーミラー
  4. 本体側面にサイドマーカー
  5. 三角窓(風を取り込むためのAピラーにある小さな窓)
  6. ホイールは〇

 

 

1.3 各々の特徴について

 

1.3.1 1.ヘッドライトと2.フロントグリルの位置関係

20年代の車は下記のように、ヘッドライトがフロントグリルから正面に少し飛び出た形のものが多い印象です。

一方で、60年代になるとフロントグリルに収納されて一体感が出ているように見えます。

1.3.2 3.フェンダーミラー

ミラーの形は当然薄いものから、砲弾型のように厚みを持ったものもあります。今回は作業性も考えて「トヨタ 2000GTロードスター」が採用した砲弾型のフェンダーミラーを採用しました。

 

この作業性、注型時の気泡抜きを考えたものです。あまりに薄いとそこから気泡を取り除くのが難しくなります。また、原型が割れる恐れや同様にレジンも割れる可能性が出てきます。

そこで、ある程度の厚みを持たせつつスタイルを維持できる砲弾型としました。

(下図、シリコン型から気泡を取り除いている模式図)

1.3.3 4.本体側面のサイドマーカー

必ずしもあるわけではないのですが、いまではお馴染みの形になってきているので取り入れました。主に、大衆車についている印象です。

 

1.3.4 5.三角窓

取り入れたい要素の一つでした。 前回の―20’sはボンネットが特徴的で窓まで入れ込むことができませんでした。今回はフロントの窓まで造形しましたのでマストです!

 

とはいえ、あまりにもキャビン側を大きくしてしまうとロングノーズのスタイルを表現できないので、バランス取りに苦労しました。

キーボードニュースさんには毎週作業のお供として、お世話になっております。

 

 

1.3.5 6.ホイールは〇

どの車を見ても、ホイールは〇です。今みたいに深リムのスポーク5本で…みたいないかついホイールは技術的な問題でなかったんじゃないかと思っています(詳しい方教えてください)。また、いまでも安価なモデルはスチールが一般的ですよね。

 

 

1.4 細部の造形

自身の技量を高めるために、前回のー20'sよりも大幅に細かな造形を組み込むことを考えました。

1.4.1 サイドマーカー

そもそも小さいので、縮尺を考えた際になくてもよいかと思っていましたが1.3.3に記述したように特徴的であるため自分ができうる範囲で取り入れました。

(結果として、造形でむちゃくちゃ苦労した)

※1枚目参照

 

苦労した原因は、全体的なバランスが完全に対称ではないためによい位置を片側で見つけても、もう片方は対称な位置だとバランスが悪く、しかもそれを一目で見れない(反対側のため)ために何度もひっくり返しながらお互いのバランスのよい位置を探しました。

 

 

1.4.2 足回り

20年代の車はサスペンションが板バネで、足回りも構造がシンプルでした。また、資料があまりにもないので、反映できませんでした。

一方、60年代になるとサスペンションにショックアブソーバー、ロアアームなど現代とほとんど変わらない構造になってきていました。さらに、断片的ですが資料が集まったのでできるだけ一般車両を意識して反映することとしました。

 

 

 

そして、真っ黒だと見づらいので実際に塗装したものが下の写真1枚目の右側です。

 

タイヤ溝は塗膜で隠れちゃうんですが、一応あります…

 

 

実写の構造はこういったページでも紹介されていますね

motor-fan.jp

1.4.3 ワイパー

フロント窓があるなら、これもあるだろうということでワイパーも付けました。

これ、60年代の車見てみてください。 いまと違うところがあります。 どこでしょう?

 

正解はワイパーの起点の位置と動作方向です。僕らが普段乗っている車は助手席から運転席へ先端が回転すると思いますが、60年代の車はいろいろな回転方向がありました。

今回は「いすゞベレット1600GT」を参考にしました。

 



おわりに

ご覧いただきありがとうございました。

1Uサイズに車の特徴を詰め込むデザインはなかなかに大変でしたが、自身のこだわりが詰まったものになりました。

 

製作過程でのこだわりについては、次の記事でまとめていこうと思います。

 

また、頑張って作ったクラシックカーキーキャップはBOOTHに出展しています。

よければご覧ください。

kiriman-works.booth.pm

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それでは次の記事でお会いしましょう。